Ableton Liveの内部ルーティングの基本を学ぶ

絶対に必要な知識という訳ではないと思いますが、ある程度は把握していた方が良いであろうと思われる「内部ルーディング」です。Liveはこのルーティング機能がとても柔軟にできている(らしい)ので、これを簡単に押さえておくだけでもLive全体に対する理解が深まります。


ルーティングとは何か

ルーティングはその名の通り「音が通る道筋(ルート)」を決めることです。

どんな構成をしたところで最終的にはマスタートラックに辿り着いて1つにまとまることに変わりはありませんが、途中の道筋を変えることでトラックに変化を付けることが出来たり、コントロールをスムーズにすることが出来るようになります。

内部ルーティングの役割は2種類

結論から言ってしまえば、内部ルーティングの役割は大きく以下の2つに分けられます。

・音をまとめる
・音を分裂させる

音をまとめるルーティングは要するに「トラックをグループ化」をするということです。例えば『複数のトラックにまとめてイコライザーを掛けて高音域を切りたい』といった場合に有効ですね。これは比較的にイメージしやすいルーティングだと思います。

音を分裂させるルーティングは使いどころが少し難しい設定です。「擬似的にトラックを複製する」といったイメージでしょうか。公式マニュアルには「分岐」と書いてありますが「分裂」の方が言葉としてはイメージしやすいのではないかと思います。

ルーティングを使って全く同じ音を複製して重ねるだけで音は厚くなります。また、複製元のオリジナルトラックAはそのままの状態で、コピーしたトラックA´だけにエフェクトを掛けて合成するといったことも可能です。使い方によって様々に活用が可能になります。

音をまとめる"Audio To"ルーティング

では、音をまとめるルーティングの代表である「Audio to」ルーティングの説明…というか設定方法について書いていきます。

サンプルとしてドラム×1、シンセ×3の簡単なセットファイルを設定し、シンセトラックをまとめていきます。


まずは空のオーディオファイルを追加します。


名前を変えておくと分かりやすいです。ちなみにですが、分裂させる場合も空のオーディオファイルを作成してそこを通すというやり方です。

マスタートラック横のI/Oをクリックしミキサーを拡大します。


I/Oはインプット/アウトプットです。


ミキサーが拡大されます。


後は、まとめたいトラックの「Audio To(音をどこへ送るのか)」から新しく作成した空のオーディオトラックを選択します。画像では分かりやすくするためにトラックを名前を『SYNTH』に変えています。


グループ化したいトラックの選択が終わったら完了です。これで3つのシンセが『SYNTH』トラックに出力されます。

後はこのトラックにエフェクトを掛ければ、全てのトラックにエフェクトが適応されるようになります。パフォーマンス時のエフェクトの処理が楽になりますね。

このように、同じ種類のトラックをルーティングでまとめる事を「BUS化」といい、まとめたトラックは「BUSトラック」と呼ばれています。

音を分裂させる"Audio From"ルーティング

では、次はAudio Fromの使い方を書いていきましょう。


Audio Toの場合と同じように、空のオーディオトラックを作成します。


今度は「Audio From」から、『分裂させたいトラック』を指定します。この場合は3トラックのCollisionを分裂させることにします。

音をまとめる場合は対象のトラックを空トラックに送るかたちでしたが、分裂させる場合は空トラックへ対象のトラックを引っ張ってくるかたちになります。


次に、Audio Fromの2つめのボックスから3種類の項目を選択します(※場合によってはもっと増えますが基本はこの3つで構成されています)。この辺りが慣れないと少し難しいのですが、ここでは『コピー元のトラックをどのような状態で引っ張ってくるのか』ということを選択します。

具体的な例を出すと、ピアノ音源にディレイを掛けている場合に「ピアノ音源そのもの」を引っ張ってくるのか、「ピアノ音源にディレイを掛けたもの」を引っ張ってくるのかということを選ぶことが出来ます。

正確には微妙に違うのですが、ざっくりまとめると下のような感じになります。

・Pre FX→音源だけ引っ張ってくる
・Post FX→音源とエフェクトを引っ張ってくる
・Post Mixer→トラックをそのまま引っ張ってくる

「Pre」は接頭辞としての「~前の」という意味のPreです。プリインストールのプリと同じですね。そのためPre FXは『エフェクトを掛ける前』の状態となります。

「Post」も同様に接頭辞としての意味で使われています。「ポスト○○は誰だ!?」等のポストと同じです。Post FXは『エフェクトを掛けた後』となります。この用語はちまちまと出てくるので、覚えても損はありません。

Post FXとPost Mixerの違いは、コピー元のオリジナルをミュートした時(音を下げた時)にコピートラックが連動してミュートされるかどうかといった等の違いがあります。

Post Mixerの場合は『トラックをそのままコピーする』イメージです。そのままコピーしているので、オリジナルがミュートすればコピー先もミュートされます。


Post Mixerを選択し、3トラックがミュートされている状態です。コピー先にも音が出ていないのが分かります。

Post FXの場合は少し説明が難しいのですが、『音源とエフェクトによって音が形成され、ミキサーを通って発音される直前のもの』を引っ張ってきます。この場合はミキサーを通過していないので、オリジナルをミュートしてもコピー先には関係がありません。


Post FXを選択し、3トラックがミュートされている状態です。
コピー先にも音が出るようになっています。


概要としてははこのような感じです。

具体的な使用例は公式マニュアルにも記載されています。かなり詳細に記載されているので、具体的な曲製作に入る前に押さえておいた方が良いかもしれません。

<関連別記事>
・Ableton Liveの内部ルーティングの使用例を学ぶ
http://furamika.blogspot.jp/2016/07/ableton-live_82.html
 

・新しい感じの記事

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