Ableton liveのセッションビューとアレンジメントビュー ③

ビュー間を相互に使っていく場合はオートメーション情報を把握するのが最も大事になってきます。この辺りは端的にまとめるのが中々難しい部分ですので、部分的ではなく全体を通して把握した方が良いのではないかと思うところです。


セッションからアレンジメントに録音(記録)する

この場合は「アレンジメントビューに直接録音する場合」と「セッションビューに録音したものをアレンジメントビューにコピー&ペーストする場合」の2通りのやり方があります。ちなみにここで言う録音とはMIDIデータを打ち込むことも含めた表現です。

・アレンジメントに直接録音する

この場合はとても簡単です。


画面がセッションビューであっても「アレンジメント録音ボタン」を押せば自動的にアレンジメントへの録音が開始されます。オートメーションも記録したい場合はオートメーションアームもONにしておきましょう。

セッションビューのクリップにも同時に録音したい場合は「セッション録音ボタン」を使いましょう。その状態でクリップを選択すれば録音出来ます(※アームもONにしておきましょう)。

・セッションからアレンジメントにコピー&ペーストする

こちらも非常に簡単です。通常のPC操作におけるコピー&ペーストと変わりません。


二画面表示(※表示→セカンドウィンドウで可能)の状態でペタペタと貼り付ければそれでOKなのですが、ここではオートメーションの扱いについて注意する必要があります。

アレンジメントが空白であれば何も問題もないのですが、貼り付け先に何かしらのオートメーションがある場合はそのオートメーションが維持された状態でセッションビューのクリップが貼り付けられることになります。

つまり「セッションビューのクリップにアレンジメントビューで描いておいたオートメーション情報を付加出来る」ということですね。

アレンジメントビューではクリップとオートメーション情報がそれぞれが独立しているためこのような操作が可能になります。オートメーションを描くのは中々面倒だったりしますので、クリップを入れ替えるだけで同様のオートメーションを展開してくれるのは非常にありがたい機能です。

この場合はセッションビューのクリップにオートメーションが記録されていないことが前提となります。もしオートメーションが記録されている場合は重複部分が自動的に上書きされてしまうので注意しなければいけません。

セッションビューのクリップにオートメーションを描くやり方は下で説明します。

セッションのクリップ内にオートメーションを描く

最初のうちはやや混乱してしまいそうですが、セッションビューのクリップにオートメーションを描く場合とアレンジメントにオートメーションを描く場合は原則的に別のものです。ここは事前にしっかりと理解しておきましょう。

セッションビューのクリップにオートメーションを描くやり方は2通りあり、「セッションビューに直接オートメーションを書き込む場合」と「オートメーションが描かれたアレンジメントビューのクリップをセッションビューにコピーする場合」があります。

・セッションに直接オートメーションを書き込む

セッションビューに直接オートメーションを書き込む場合は「セッション録音ボタン」と「オートメーションアーム」をONにしておく必要があります。


双方をONにした状態でアームしたトラックのパラメーターを操作すると、その操作がオートメーションとしてクリップに記録されます。


アームするのが面倒な場合は環境設定からセッションオートメーションを記録をすべてのトラックにしてしまいましょう。こうすればアーム不要でオートメーションを描くことができます。

<参考別記事>
・オートメーションの書き方について①
http://furamika.blogspot.jp/2016/07/blog-post_95.html


オートメーションが記録されたクリップを再生した場合はパラメーターに小さい赤いボックスが表示されます。個人的にはクリップ自体にも表示してもらいたいと思ったりします。より分かりやすくしたい場合はクリップの名前や色を変更することで個別に対応しましょう。

クリップに書き込んだオートメーションを削除したい場合はパラメーター先を右クリックすることで削除できるようになっています。まとめて削除したい場合は書き込んだクリップそのものを右クリックすることで対応可能です。

・アレンジメントのクリップをセッションにコピーする

こちらも通常のコピー&ペーストと変わりませんが、セッションビューの場合と同じようにオートメーションについて注意します。


アレンジメントからセッションへクリップをコピーする場合はクリップの長さが重要です。何故かと言いますと、アレンジメントには無限にオートメーションを書くことが出来るようになっていますが、これはクリップの長さとはリンクしていないからです。

実際の例を出して説明しましょう。

例えば、4小節のループを4回繰り返したフレーズをアレンジメントに記録し、オートメーションには音量を最小から最大まで上げていくようなエンペローブを描いたとします。

この場合において、アレンジメントのクリップをセッションにコピーすると、4小節のループはコピーされますがエンペローブは途中で切れているものがコピーされます。元のクリップの長さが4小節であるため(※オートメーションの長さと揃っていないため)に起こるわけですね。

このような場合で全てのエンペローブを反映しようとすると、アレンジメント先のクリップの長さを4小節×4回分である16レングスまで引き伸ばしてから(※オートメーションの長さと揃えてから)コピーしてあげないといけません。


クリップの引き伸ばしはセッションの場合と同じようにレングスを伸ばせば可能になります。ほとんどの場合で倍数となっていると思いますので、デュプルループで複製していけば問題ないでしょう。この場合の複製はエンペローブとは無関係ですので、アレンジメントに描いたオートメーションに干渉することはありません。

<関連記事>
・Ableton liveのセッションビューとアレンジメントビュー ①
http://furamika.blogspot.jp/2016/07/ableton-live_94.html

・Ableton liveのセッションビューとアレンジメントビュー ②
http://furamika.blogspot.jp/2016/07/ableton-live_18.html
 

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