CUEを打つことを「キューポイントを設定する」といい、これは『ここから曲をスタートさせる(ためにキューポイントを設定する)ぞ!』という意味になります。小説に栞を挟むのと変わりません。
しかしながらPCDJの世界は単に小説に栞を挟むのとは違い、他にも複雑な機能を持っているキューが存在します。これらの機能を使うことで、より複雑なDJプレイを可能にすることができます。
CUEの種類について
早速ですがCUEの種類について解説していきましょう。
ちなみにTRAKTORでは一つの曲に対して8個までキューを設定できるようになっています。
・NOMAL CUE
これは普通のキューです。ここでは分かりやすくノーマルという単語を付けていますが実際には「キュー」としか言われません。ノーマルなので特別な機能はありません。ノーマルキューは波形の上側に「水色の三角形」で表示されます。下の欄のキューボックスにも色が反映さえているのが確認できますね。
この色はDJコントローラーにも反映されたりします。
NIのTRAKTOR KONTROLシリーズだと反映されるようになっています。そのようなわけで色も覚えておく必要があります…といってもそんなに数があるわけでは無いのですぐに覚えてしまいますが。
NIのTRAKTOR KONTROLシリーズだと反映されるようになっています。そのようなわけで色も覚えておく必要があります…といってもそんなに数があるわけでは無いのですぐに覚えてしまいますが。
・Fade in / Fade out
こちらはかなり特殊なキューで、複数のデッキを使って機能させるものです。Fade inとFade outはデッキを自動再生させます。具体的には「Aデッキで再生中の曲がこのポイントに到達すると、Bデッキにセットしている曲のこのポイントから自動再生させる」という操作が可能です。
Fade in/Fade outの最も分かりやすい使い方は曲の最初と最後に設定してしまうことですね。曲の最後にFade out、曲の最初にFade inを設定するようにすれば『とりあえずDJプレイ中に曲が止まる』といった事態は防ぐことが出来ます。
しかしながらこれにはデメリットにもなりえます。言わずもがなだと思いますが、曲が自動再生されてしまう方がと困る場合も多々あります。デッキにトラックをセットした時は自動再生の方が都合が良くても、プレイ中に予定が変わることは頻繁にあるでしょう。
そんなわけでFade in/Fade outは人によっては全く需要が無いものです。
もしFade inを設定するのであれば、どんな曲とも相性の良いシンプルなドラムトラックが合理的でしょうか。『次の曲を探している時間が無い!』といった場合には緊急用のプレイリストを作っておき、その中にFade inを設定したトラックを幾つか入れておけば曲を探す間の時間稼ぎをすることが出来ます。
Fade outの使い方は様々です。単純にFade in/Fade outとの連携として使っても良いですが、「ここから先の部分はいらない」という目印にすることもできます。使い方はそれぞれです。
Fade in/Fade outはオレンジ色の台形のような形で表示されます。
どちらがFade in/Fade outか分からなくなった場合は台形のかたちを音量に置き換えると分かります。
どちらがFade in/Fade outか分からなくなった場合は台形のかたちを音量に置き換えると分かります。
画像では(3)が時間経過にしたがって大きくなっている形をしています。そうすると(3)が音が大きくなるキューで、(4)が音が小さくなるキューだと簡単にイメージすることが出来るはずです。
ただ、これだけではFade outは半分しか機能しません。
Fade outと聞くと自動的に音が小さくなることをイメージされると思いますが、Fade outを使って自動的に音を小さくするためには「クルーズモード」をONにしておく必要があります。
ただ、これだけではFade outは半分しか機能しません。
Fade outと聞くと自動的に音が小さくなることをイメージされると思いますが、Fade outを使って自動的に音を小さくするためには「クルーズモード」をONにしておく必要があります。
これがONになっていないとFade outが別のデッキのFade inをスタートさせることは出来ても、Fade outを設定したデッキの音量が自動的に小さくなるようなことはありません(手動でボリュームを切れば良いだけのことでもありますが)。
TRAKTOR画面の右上にあるこのマークがクルーズモードです。
TRAKTOR画面の右上にあるこのマークがクルーズモードです。
クルーズモードはTRAKTORが自動的にプレイリストから曲を読み込んで再生してくれる機能です。これをONにしておくと、極端なことを言えば再生ボタンを押す回数を一回ですませることができます(※細かい説明については後々書いていきます)。
Fade in/Fade outをあまり使ったことが無いので微妙なところもありますが、Fade in/Fade outはABデッキ間、CDデッキ間といった感じで別れて作用するようですね。AデッキにFade outキューを設定しCデッキにFade inキューを設定しても動作はしないというわけです。
デッキ内にFade inキューを複数設定することも可能ですが、この場合の動作がいまいち良く分かりません。
・Load
これはとても分かりやすいキューです。曲をデッキにロードした際の頭にくるポイントを指定することが出来ます。色は黄色、丸いマーカーが目印です。
おそらく最も使い勝手が良いキューではないでしょうか。いよいよ時間が無い場合にLoadキューが設定されているかどうかで作業効率が大きく変わってきます。
デッキ内にLoadキューを複数設定することも可能ですが、これも良く分かりません。
ファイルをアナライズすると自動的に最初の方にキューが設定されますがこれがグリッドキューですね。
おそらく『普通のキューと何が違うの?何の意味があるの?』という話になると思います。これは…うーん…何と書けば良いのか微妙ですが、『グリッドキューをHOT CUEとして設定する場合』に使うものです。
おそらく最も使い勝手が良いキューではないでしょうか。いよいよ時間が無い場合にLoadキューが設定されているかどうかで作業効率が大きく変わってきます。
デッキ内にLoadキューを複数設定することも可能ですが、これも良く分かりません。
・Grid
グリッドキューはその名の通り「グリッドの基準となっているキュー」です。表示としては白い下向きの三角性で表示されています。ファイルをアナライズすると自動的に最初の方にキューが設定されますがこれがグリッドキューですね。
おそらく『普通のキューと何が違うの?何の意味があるの?』という話になると思います。これは…うーん…何と書けば良いのか微妙ですが、『グリッドキューをHOT CUEとして設定する場合』に使うものです。
グリッドキューはHOT CUEとしてではなく単なるマーカーとしても設定できますので、そういった場合の使い方も想定してわざわざ『ホットキューとしてのグリッドキュー』が設定されているのだと思います。
例としてループキューを可能な限り設定する場合を考えてみましょう。
最初にHOT CUEは8個まで設定できると書きましたが、この場合に「ホットキューとしてのグリッドキュー」を設定してしまうと枠を一つ使ってしまうことになるので7個までしか設定できなくなってしまいます。
例としてループキューを可能な限り設定する場合を考えてみましょう。
最初にHOT CUEは8個まで設定できると書きましたが、この場合に「ホットキューとしてのグリッドキュー」を設定してしまうと枠を一つ使ってしまうことになるので7個までしか設定できなくなってしまいます。
こういったときはグリッドキューをホットキューから外してしまえば最大数である8個すべてにループが設定出来るようになると言うことです。
グリッドキューは初期設定ではホットキューとして扱われるようになっていますので、変更したい場合は環境設定のアラナイズ・オプションから上の変更を変更します。チェックが外れているとホットキューとしては扱われません。
チェックを外してグリッドマーカーを設定すると上画像のようになります。最初の画像と比べると、マーカーはきちんと設定されているのにホットキューが空になっていることが確認できますね。
さてループです。その名の通り小節単位でフレーズを繰り返すことが出来ます。
グリッドキューは初期設定ではホットキューとして扱われるようになっていますので、変更したい場合は環境設定のアラナイズ・オプションから上の変更を変更します。チェックが外れているとホットキューとしては扱われません。
チェックを外してグリッドマーカーを設定すると上画像のようになります。最初の画像と比べると、マーカーはきちんと設定されているのにホットキューが空になっていることが確認できますね。
・Loop
トラックの種類次第では必須となるキューですね。テクノやハウスといったジャンルではほぼ確実に使うことになると思います。ループの色は緑色、波形の上に四角で表示されます。
ループだけは他のキューと違ってON/OFFが存在するので多少の注意が必要です。
ループだけは他のキューと違ってON/OFFが存在するので多少の注意が必要です。
ループがONになっている場合はテンポフェーダー下の「ACTIVE」が点灯します。仮にループを設定し(※正確にはインポイント・アウトポイントと言います)、再生位置がループポイントに到達しても、「ループそのもの」がONになっていなければループ再生はされません。
上の画像であれば(3)と(4)がループですが、(3)はOFFの状態ということになります。
ループはHOT CUEとして使う場合が多いと思いますが、この場合はループが自動的にONになります。もちろんデッキが停止中であれば曲の確認ができるようになっており、ループそのものは続きますが自動再生が続くようなことはありません(HOT CUEから指を離せば再生は停止します)。デッキ再生中にHOT CUEからループに入るとループは連続して自動再生されるようになっています。
このように曲を部分的に切り取るようなかたちでループさせるのであればHOT CUEからアクセスするのが早いのですが、曲をしばらく再生させた後にある地点でループさせたいといった場合は少しやり方が違います。
上の画像でいえば、最初から曲を再生して(3)位置に入ったらループさせるといったケースですね。この場合はHOT CUEを使えないため(※正確には使えないこともないが、曲が3の位置に入ったタイミングと全く同じにHOT CUEを押さないといけないので非常に難しい)、手動でループのON/OFFを行います。
手動でループをONにする場合は、再生位置が(3)の範囲に入っていればでどのタイミングでONにしてもループされるので失敗することは無いでしょう。このやり方であれば「トラックが中途半端に再生された状態でループに入る」といったことはありません。ついでに書いておきますと、再生位置が(3)の範囲を過ぎたあとにループをONにしてもループには入らないようになっています。
ループに関してはまだ補足しておくべきことがあるのですがとりあえず今回はこの辺りということで・・・。
キューの種類は以上となります。たくさんあるようでそんなに数があるわけでは無いのですんなりと覚えてしまった方も多いと思います。言葉だけで良く分からなかったという場合は実際にコントローラーを操作しながら確認されて下さい。
ホットキューは使用しているDJコントローラーのレイアウトと相談することも大切です。
コントローラーにはHOT CUEへのダイレクトリンクが4つある場合が多いですが、例えば(1)のキューにグリッドキューを設定してもあまり意味が無いわけです。
上の画像であれば(3)と(4)がループですが、(3)はOFFの状態ということになります。
ループはHOT CUEとして使う場合が多いと思いますが、この場合はループが自動的にONになります。もちろんデッキが停止中であれば曲の確認ができるようになっており、ループそのものは続きますが自動再生が続くようなことはありません(HOT CUEから指を離せば再生は停止します)。デッキ再生中にHOT CUEからループに入るとループは連続して自動再生されるようになっています。
このように曲を部分的に切り取るようなかたちでループさせるのであればHOT CUEからアクセスするのが早いのですが、曲をしばらく再生させた後にある地点でループさせたいといった場合は少しやり方が違います。
上の画像でいえば、最初から曲を再生して(3)位置に入ったらループさせるといったケースですね。この場合はHOT CUEを使えないため(※正確には使えないこともないが、曲が3の位置に入ったタイミングと全く同じにHOT CUEを押さないといけないので非常に難しい)、手動でループのON/OFFを行います。
手動でループをONにする場合は、再生位置が(3)の範囲に入っていればでどのタイミングでONにしてもループされるので失敗することは無いでしょう。このやり方であれば「トラックが中途半端に再生された状態でループに入る」といったことはありません。ついでに書いておきますと、再生位置が(3)の範囲を過ぎたあとにループをONにしてもループには入らないようになっています。
ループに関してはまだ補足しておくべきことがあるのですがとりあえず今回はこの辺りということで・・・。
キューの種類は以上となります。たくさんあるようでそんなに数があるわけでは無いのですんなりと覚えてしまった方も多いと思います。言葉だけで良く分からなかったという場合は実際にコントローラーを操作しながら確認されて下さい。
ホットキューは使用しているDJコントローラーのレイアウトと相談することも大切です。
コントローラーにはHOT CUEへのダイレクトリンクが4つある場合が多いですが、例えば(1)のキューにグリッドキューを設定してもあまり意味が無いわけです。
いやまぁ意味が無いというわけではりませんが、固定することが決まっているグリッドキューであれば最後の(8)に置いたり、そもそもHOT CUEとして設定しない方が良かったりもします。
HOT CUEはスロットの場所で意味を決めてしまう方が効率的です。
例えば、(1)はLoadキュー、(2)(3)にはループを設定し、(4)は空白しておいてフレキシブルに対応できるようにする…といった感じでしょうか。このようにスロット位置・キューの種類で自分の中にルールを作っておくと操作効率を大きく向上させることができます。
HOT CUEはスロットの場所で意味を決めてしまう方が効率的です。
例えば、(1)はLoadキュー、(2)(3)にはループを設定し、(4)は空白しておいてフレキシブルに対応できるようにする…といった感じでしょうか。このようにスロット位置・キューの種類で自分の中にルールを作っておくと操作効率を大きく向上させることができます。
0 件のコメント :
コメントを投稿