TRAKTORの使い方(14) 簡単であり奥が深いLOOPとMOVE

データを使ってDJをやる場合は避けては通れないループとムーブ、アナログターンテーブルでは出来ない素晴らしい機能です。

TRAKTORはこれらが簡単に設定できるので特に気にしなくても使えてしまうものでもありますが、やはり知っていた方が使いやすくなるのは言うまでもありません。

ループとムーブは同時に抑えた方が効率的です。まずはループの設定から見ていきましょう。


TRAKTORでのループの設定方法は2種類

TRAKTORでのループの設定方法は2種類します。

それは「ループサイズを決める場合」と「インポイント(ループの開始位置)・アウトポイント(ループの終わり位置)を決める場合」です。

・ループサイズを決める場合

まずはサイズから始めていきましょう。ボタン一つで設定出来ますので非常に簡単です。


PCDJコントローラーのループボタンを押すか直接TRAKTORから枠内をクリックすれば自動的にループに入ります。ループ設定後もサイズは変更できるようになっていますので、ひとつのループであってもサイズを変えていけば変化が付けれるので楽しいです。

ループを解除する場合は以下の4種類やり方があります。

(1) もう一度同じループサイズのボタンを押す
(2) ループそのものを無効化する
(3) ループの上からインポイントを指定する
(4) ループの上からアウトポイントを指定する

実際の操作としては一番上が大部分になると思いますが、一応このようなものがあるのだと流し読みしておきましょう。

・インポイント・アウトポイントを決める場合

インポイント・アウトポイントを決める場合は手動で開始位置と終了位置を決めてあげないといけません。


ループサイズを決める場合はステップ数が決まっていますが、インポイント・アウトポイントの場合はこのような制限はありません。

極端なことを言えば、トラックの最初の最後にポイントを置いて丸ごとループ化することも出来ます。こうなると単なるリピート再生になってしまいますが、TRAKTORを音楽プレーヤーとして使う場合には便利だったりします。

この自由度がインポイント・アウトポイントの良いところですね。

ループサイズだとステップ数が決まっていることもありますが、6ステップや7ステップといった中途半端な長さは作れません。インポイント・アウトポイントは長さが自由に作れます。

ここで注意しなければいけないのがサイズ表記と実際のステップ数の「差」についてです。


上画像を見れば一目瞭然だと思いますが、サイズ表記はあくまでもループ数の「近似値」しか表示してくれません。サイズ表記が2であっても実際のステップ数は3だったりするということがあります。

また、『ループを解除する場合はもう一度ループサイズのボタンを押す』というものがありましたが、そのルールはここでも適応されます。要するに、上画像の場合ではループサイズ(2)のボタンを押すとループが解除されてしまうわけです。

インポイント・アウトポイントを使う場合は少ないかもしれませんが、これも一応頭にいれておきましょう。

ループをホットキューにする

ホットキューは基本的には予め設定しておくものですが、リアルタイムでのプレイ中にループを作った場合にホットキュー化することも当然ですが可能です。

こちらのやり方も非常に簡単で、ループを作ったあとに空いているホットキューのボタンを押すと自動的にアサインされるようになっています

ただ、これは空いているホットキューにしかセット出来ませんので注意が必要です。既にホットキューが埋まっている場合は一度ホットキューを消去してからでないといけません。上書きのようなことは不可能になっています。


ループは分かりやすいのでこれくらいで大丈夫だと思います。

次はムーブなのですが、ムーブは…機能こそループと似たような感じなのですが、使いどころが難しいというか、出来ることが多すぎて逆にイメージが掴みにくいものでもあります。

TRAKTORのMOVE機能は3種類

ムーブは機能としては「位置をずらす」という至って単純なものなのですが、『何をずらすのか』ということで以下の3種類に役割が分かれています。

・ビートジャンプ
・ループ
・ループイン/ループアウト

どれも名前である程度内容が想像できるとは思いますが、確認の意味を含めて内容を書いていきます。

・ビートジャンプ

その名の通り、今現在の再生位置を移動する(ジャンプする)のがビートジャンプです。ビートジャンプについては特に解説することもありませんが、以下の3つのことをおさえておきましょう。

・前にも後ろにも移動できる
・ループを無視して移動できる
・スナップ、クオンタイズが効かない

『スナップ、クオンタイズが効かない』ということに関してだけ簡単に解説しておきますと、これが効いてしまうとグリットがめちゃくちゃになってしまうので敢えて効かないようにしてあります。

・ループ

次はループですね。これは設定したループを丸ごと動かすことが出来ます。ループについては『丸ごと』移動できるということが非常に重要です。

おそらくムーブ機能の中で最も使い勝手が良いのがこれでしょう。ループは汎用性こそ高い機能ですが、長く使っているとどうしても雰囲気が単調になってしまいます。そんなときはこの機能を使って位置をずらすだけでもかなりの変化を付けることが出来ます。

また、単純にトラックの中から「よさげなループ」を探すのにも非常に便利です。

実際のミックス中に試行錯誤で探す場合もあるでしょうし、下準備としてトラックを確認する場合に使うこともあると思います。最低でもこの機能だけは覚えておいた方が良いのではないかと思うところです。

・ループイン/ループアウト

もう想像は付いていると思いますが、ループの頭と終わりの位置を変更する機能です。曲展開の手法として定番のループアウトを短くしていくやつ(名前が分かりません)が出来ます。

ループインのムーブはループと同じように下準備のときに重宝します。

DJコントローラーとは別にMIDIコントローラーを用意してアサインさせておくと作業効率を劇的に上げることが可能です(コントローラーのMIDIアサインについてはまた後程記載します)。


ループとムーブについてはこのような感じですね。内容としては特に難しいわけではありませんが、使い方次第で大きな効果を作れるものでもありますので使いこなそうとすると難しいものでもあったりします。
 

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